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まだ不安定。
いつになったら解放される?
いつになったら安定する?
…誰にもわからないのに…。
僕は……。
『また、降りそうだね…今日も泊まっていい?』
答えは一つしかない。
「もちろん!嬉しいよ。」
学校の帰り道、家に寄って着替えを鞄に詰め込み、泊まりに行くと伝えて、家を出る。
『お待たせ。行こうか』
笑顔を向け、佑に声をかけた。
佑も僕に笑顔を向け
「うん」
と言ってくれて、佑の家に行く。
佑は一人暮らし。
僕が初めて家に遊びに来た時、必要な家具以外本当に何もなくて、寂しい家だった。
僕と付き合うようになってから、僕の物が少しずつ増えてきて、僕と佑の家になってきた。
恥ずかしいようで、すごく嬉しかった。
たわいない話をしながら歩いて佑の家に着く。
佑は鍵をあけ、ドアをあけ、先に僕をいれようとしてくれる。
「陸…?どうぞ?」
いつもなら、すぐに入るのに、少し躊躇っていると佑は不思議がっていた。
「…陸?」
困った顔をした佑の顔を見て、僕ははっとした。
『あ…んと…た…』
口が震えて言葉がうまく出ない。
「…た?」
『た…ただいまっ!!』
やっと言えたけど、恥ずかしくて顔が熱い…。
「ぇ…ぁ……」
びっくりしながらも、すぐに笑顔になった佑。
「おかえり…陸」
笑顔で答えてくれた佑。
少しだけ涙ぐんでいたのは見なかったことにするよ?…だって、僕も涙ぐんでいたから…。
恥ずかしいけど、大好きな佑に言ってもらえた「おかえり」はすごく嬉しかったんだ。
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