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「でも早く帰んなきゃ家族が心配するんじゃない?」
しつこく食い下がってくる純子。
こいつ、悪いヤツじゃないんだけどちょっとお節介っていうか……。
俺はわざと素っ気なく返事をした。
「別に。両親イタリアだし」
ちなみに妹は不登校。まぁ今ごろ寝てるだろうし何時に帰っても変わらない。
「……ごめん」
すこし気まずそうにする純子。
……別に謝らなくていいのだが。
「まぁ、じゃ、昼寝も程々にして早く帰るのよ?」
「わかったわかった。わかったから寝かせてくれよ」
机につっぷそうとする俺に純子は不服そうに言葉をかけた。
「ホントになるべく早く帰るのよ?絶対だよ?」
「はいはい、絶対ね」
「約束して」
「ハイハイ」
純子はまだ不服そうだったが、渋々自分の荷物をまとめて教室の出口に向かって行った。
とりあえずほっとする。
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