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俺は、会社で遅くまで残業をし、疲れて家に帰り着いた。
時計を見ると、すでに十一時を過ぎている。
俺は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、咽の奥に流し込む。
ため息が出るほどに上手いと思いながら、すぐに一本をからにした。そして、続けざまに二本目に手を出す。しかし、疲れていたのか、俺は二本目を飲み終わらないうちに、うつら、うつらと眠ってしまった。
ボーン、ボーン、ボーン、ボーン
部屋の柱時計が鳴る。俺はその音で目を覚ました。俺の部屋には祖父の形見の柱時計があるのだ。もちろん、光センサーなどは付いていないため、昼、夜関係なく、二時なら二回、五時なら五回と、時刻の分だけ鐘を鳴らすのだ。
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