第1章・新しい私

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お昼になるといつも3人で机をくっつけてお弁当をたべた。 クラスでも目立っていた晴奈たちは、なぜか女子からも男子からも少し恐がられていた。 でも皆と仲良くなりたかったから、いろんなクラスに3人で押しかけては友達を増やした。 「あの人かっこいい~」 とか言いながら1番乗り気だったのはいつも幸子だった。 由香は彼氏一筋だったため、 「え~陽ちゃんの方がカッコイィし!!」 なんて幸子と張り合っていた。 晴奈はそんな2人を笑いながら見ていた。 みんなすぐに仲良くなり晴奈たちのグループはどんどん大きくなっていた。 1番めんどくさかったのは頭髪検査。 頭髪検査は月に2回ある。 引っ掛かるのはいつもこのグループだった。 「黒スプレーする!?」 頭髪検査の日、由香と幸子は教室で黒スプレーをして髪を真っ黒に染めた。 晴奈は黒スプレーだけはイヤだった。 髪はゴワゴワになったり、 クシだって通らない。 だから頭髪検査の日は歯医者に行ったり学校を休んだりしてなんとか免れていた。 学校に入って何回目かの頭髪検査の日、由香は“カツラ”をもっていた。 それをみた晴奈と幸子は爆笑していた。 「なにそれ~!!まぢうけるんだけど!かぶってみぃ!?」 「いやこれ意外とイケるんだって!!」 由香はそれをかぶり髪を2つに結ぶと多少違和感はあるものの結構さまになっていた。 由香は頭髪検査を無事に通過した。 その後、頭髪検査の日にカツラが流行ったのは言うまでもなぃ。
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