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「あ、あ、あ~!!」
おばあさんの声が聞こえる。
尻から落ちて、痛みは頭の先まで響いた。
私は笑顔のまま、ホウキの棒の方をジェットコースターの安全バーの様に持ち、両足は前にピンと伸ばした形で着地した。
まるで今から飛行機の避難訓練を行う人の様。
おばあさんが慌てて駆け寄ってきて、
「大丈夫!?」
と聞いてきた。
私は恥ずかしさから、思わずとっさにホウキの棒をバイクのハンドルの様にみたてて、小さい声で
「ブ、ブーン…」
と言ってみたが、おばあさんの
「大丈夫!?立てる!?」
の声にかき消された。
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