第一話 二年目の春、二年目の番人さん

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「会長、そろそろ始業式の打ち合わせが…」 後ろにいた副会長である進藤 香苗(しんどうかなえ)は眼鏡を光らせ言う。 そういや居たっけな~と思っていると、進藤はズイッと顔を俺に近づかせ。 「会長は忙しいのでこれで(会長に気安く近づくなカスッ)」 なんか副音声が入っていた様な… 「ごめんね、神御沢くん。またクラスでねっ」 ハッとした感じでぱたぱた~と生徒会室のある校舎に走っていく野々宮。 その後追い掛けていく進藤、振り向き際に(アトデコロス)と口が動いていたのは気のせいだろう。 「神御沢…ちょっと体育館裏まで来てもらおうか」 おいおい何時の時代の不良だよ、と後ろを向くとゴリラが居た。 実際にはゴリラ見たいな生徒なのだが、額には『野々宮様LOVE』と書かれた鉢巻きに制服の上に羽織られたピンクの法被。 学園の殆どが加入していると言われる野々宮ファンクラブ、その中で親衛隊と呼ばれる者が目の前に… 「親衛隊が俺に何の様だ?」 と強気で言ってみるが、ゴリラに勝てるわけないわっ。
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