あたらしいかぞく

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「今日の放課後さ、何もなかったら俺ん家に来れねぇ?」 さっそく、朝イチに黒刃に聞いてみる敏朗。かなり気になっていたようだ。 「大丈夫だけど、何かあったの?元気ないけど…。」 実は…と事情を話す。黒刃は敏朗君の家なら安心だけど、ちょっとマスターに相談してみないとわからない。ということだった。 ★☆ 「ただいま~。」 「…お邪魔します。」 敏朗の家は純和風の二階建てで、両親と妹と敏朗の四人では大きすぎる家だ。 「いらっしゃい!あらあら、本当に可愛らしい男の子ね!」 奥の方から出てきたのは母親の操だ。黒刃は簡単に自己紹介をし、家の中を案内される。敏朗の部屋に入ると、母親はお菓子を持ってくると言って出ていってしまった。 「ここが俺の部屋。何もないけど。」 「そんなことないよ。とてもきれいに掃除してあるし。」 「この子ったら自分で掃除しないのよ。今日あなたを連れてくると思って午前中に掃除しておいたの。」 そうなんですか。と黒刃は普通に接しているが、敏朗は「いつの間に!?」と驚いている。父親は戦闘専門の仕事で、母親も元はそういう関係の仕事をしていたためか、この家の中では両親は神出鬼没でこういったことはいつものことなのだ。 「あなたすごいわね!」 親父の言っていた通り、黒刃って強いのかと思った敏朗だった。 ★☆ 「黒君、髪切ってあげましょうか?」 「…え?」 二人が学校の話をしている間黒刃の顔をじーと見ていた操が急にそんなことを言い出した。その方が綺麗な顔がよく見えるしと言いながらすでにその手には散髪用のハサミが握られている。 そんな、いいですよと言いながら後ずさり、壁際の方まで追いやられたしまった。 「切るのが嫌なら、ピンで留めてみましょうか。」 その後、可愛らしいピンで髪を留められた黒刃は女の子のようだった。
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