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「荷物は明日学校から帰ってまとめて、明後日の土曜日に持って行きます。」
黒刃が帰ってしばらくしたら電話がかかってきた。マスターが敏朗君なら安心とOKしたらしく、すぐに電話してきてくれたらしい。
また学校で!と言って電話を切った。
★☆
翌日。
「あ、ピンしてこなかったんだな。」
「昨日帰ったらマスターに「可愛い!!!」って抱きつかれた。」
学校に付けて来るのはさすがに恥ずかしかったらしい。そんな事を話しているとクラスの女子が話しかけてきた。
「そんな暗い奴と話してないで私たちとお話しましょう?」
周りの女子もそうそうと首を縦に振っている。敏朗は黒刃と話をするようになる前は、よく女子たちと話をしていた。それがなくなり、面白くないのだろう。
「なら一緒に話をすればいいじゃねーか。」
「そんな前髪の長い、暗い奴と話をするなんて嫌。それに知ってる?彼、義務教育を受けていないって話。この国で私達くらいの年齢で受けていないということは、紅国の人間って事よ。」
彼女がそういうと、敏朗以外の周りにいたクラスメイトが少し距離を置いた。中には昨日黒刃と話をした、男子もいた。
「あなたがそんな人と一緒にいていいの?お父さん確か軍のお偉いさんよね?あんな人殺しなんてどうとも思ってない国の人間と話をするだなんて。」
「いい加減にしろ!!」
敏朗が叫んだ。
「どこの国の出身かなんてどうでもいいだろ!今こいつは帝国の人間だ。俺もお前も帝国の人間だ!」
だが女子も引き下がらない。
「過去に何か犯罪を犯しているから髪を伸ばして顔を隠しているんじゃないの?それでも一緒に話なんてできるの?」
「過去は過去だろ?!」
ジョキンッ パラパラ
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