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「ハァ…ハァ…ハァ………」
そして無事に辿り着いた訳なのだが……死にそうなくらい疲れた。
行く最中、犬に吠えられ、蜂に追い掛けられ、車に轢かれそうになり、と、目茶苦茶大変で、怖かった訳だ。
「ふぅ………」
椅子に深く座り、脱力。
やっと落ち着いた……と思ったが、
「流、次文化祭の準備だぞー」
クラスの友達がそう言って来た。
脳内の予定表を見てみる。
疲れてそれどころじゃなかった為すっかり忘れていたが、明日は聖ハーデンス学園と名物、聖星祭(セイセイサイ)だ。
そして今日は出し物の最終チェックの日。
面倒だが、やるしかない。
「はいはい、今行くよ…」
席から立ち上がり、教室のドアに向かって歩き出す。
「流ー、こっち手伝ってくれー」
「解った、今行く」
「流くーん、こっちもー」
「はいはい」
「流、鋏とカッター取ってくれー」
「解った」
「流ー」
「はいはい」
「流くーん」
「………」
「うおっ!?崩れた!流、助けてくれー!」
「…………………」
…………何で俺ばっかり?
男女関係無く俺を呼ぶ。
正直疲れたのだが、裏切る訳にはいかない。せっかく頼りにされているんだ、頑張ろう。
碧空流、ただいま奮闘中。
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