第壹席 流、奮闘するのこと。

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「ハァ…ハァ…ハァ………」 そして無事に辿り着いた訳なのだが……死にそうなくらい疲れた。 行く最中、犬に吠えられ、蜂に追い掛けられ、車に轢かれそうになり、と、目茶苦茶大変で、怖かった訳だ。 「ふぅ………」 椅子に深く座り、脱力。 やっと落ち着いた……と思ったが、 「流、次文化祭の準備だぞー」 クラスの友達がそう言って来た。 脳内の予定表を見てみる。 疲れてそれどころじゃなかった為すっかり忘れていたが、明日は聖ハーデンス学園と名物、聖星祭(セイセイサイ)だ。 そして今日は出し物の最終チェックの日。 面倒だが、やるしかない。 「はいはい、今行くよ…」 席から立ち上がり、教室のドアに向かって歩き出す。 「流ー、こっち手伝ってくれー」 「解った、今行く」 「流くーん、こっちもー」 「はいはい」 「流、鋏とカッター取ってくれー」 「解った」 「流ー」 「はいはい」 「流くーん」 「………」 「うおっ!?崩れた!流、助けてくれー!」 「…………………」 …………何で俺ばっかり? 男女関係無く俺を呼ぶ。 正直疲れたのだが、裏切る訳にはいかない。せっかく頼りにされているんだ、頑張ろう。 碧空流、ただいま奮闘中。
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