序章『嫌われる理由』

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『はぁ…はぁ…っくそ…』 夜の町中を多数の足音が響く 俺を追う大人達の足音 その足音は確実に俺へと近付く つかまるわけにはいかない… 逃げるしかない でも何処へ…逃場なんて何処にも無いのに… 正面からも足音が聞こえてくる 焦りが込み上げる 『おい!何やってんだこっちにこい!』 突然手を握られ引っ張られ俺はバランスを崩した 『誰だっん!!』 『静かにしろ!見つかるだろ』 何処だ…ここは… どうやら家のクローゼットの中のようだが暗くてよく分からない 外から大人達の声が聞こえる 『見つけたか?』 『いや、ここの道に入るのは見たんだが…』 『………』 『消えたわけじゃないだろ。何処かにかくれたんだ!』 『虱潰しだな…当りの家を調べろ!』 やばい…見つかってしまう… また焦りが込み上げる 『大丈夫だ!ここは見つからない』
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