13人が本棚に入れています
本棚に追加
『はぁ…はぁ…っくそ…』
夜の町中を多数の足音が響く
俺を追う大人達の足音
その足音は確実に俺へと近付く
つかまるわけにはいかない…
逃げるしかない
でも何処へ…逃場なんて何処にも無いのに…
正面からも足音が聞こえてくる
焦りが込み上げる
『おい!何やってんだこっちにこい!』
突然手を握られ引っ張られ俺はバランスを崩した
『誰だっん!!』
『静かにしろ!見つかるだろ』
何処だ…ここは…
どうやら家のクローゼットの中のようだが暗くてよく分からない
外から大人達の声が聞こえる
『見つけたか?』
『いや、ここの道に入るのは見たんだが…』
『………』
『消えたわけじゃないだろ。何処かにかくれたんだ!』
『虱潰しだな…当りの家を調べろ!』
やばい…見つかってしまう…
また焦りが込み上げる
『大丈夫だ!ここは見つからない』
最初のコメントを投稿しよう!