第1章

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考えついたのは…… 「せ!!」 せ……背のことだが、 いきなり、せ、と言われた遊としては意味がわからない。 「せ?」 聞き返す遊にマトは 「背ぇ高いねぇ!! いいなぁ~」 と言うが………背から会話を始めるのはどうかと………… あ、話をもどします マトは自分の頭と遊の頭の間に手を行き来させて何かアピール。 そんなマトに遊は 「……そう」 それだけ言って、先に行ってしまった。 マトは対してショックも受けず、 「えへへ………」 と苦笑いした。 マトは先に行った遊を足早に追いながら遊に話しかける。 「そういやさっき、車で来てたのみたよ そんな人、本当にいるんだ、って感動しちゃった!!」 「あたしは良いって、言ったんだけど どうしても、ってお父さんがね」 遊は意外にも素直に話しに答えてくれた。 マトはそれが嬉しくて 「家、近くなの?」 と笑顔で言う。 「うぅん、家は街波町なの」 「うそっ、そこあたしの家の近くじゃん!」 マトと遊の会話はひょんなことから広がった。 家がマトと近所と言うことに驚いた遊は 「そうなの?」 と思わず聞き返していた。 「うん、あたし、木幡駅から電車で来てるんだよ~」 すると、遊が 「へぇ……!」 と言い軽く笑顔になった。 そのあとも、小学校はどこだったとか話していたのだが 遊が引っ越して来たと聞いて 「あ、やっぱり? だって、ことりあそび(小鳥遊)なんて 珍しい名前があったら覚えてるもん」 とマトが言うと遊が初めて可笑しい、と言った感じで笑った。 「たかなし…」 「え?」 遊が笑いながら言った言葉の意味がわからず マトは聞き返す。 「たかなしって読むの、小鳥遊ってかいて」 それを聞いてマトは 「え?そうなの!?」 と驚きの声を上げる。 小鳥遊のフルネームは、 たかなし ゆみで たかなしの由来は、 小鳥が遊ぶところには、タカがいない から来たそうだ。 こうして、マトとユミは出会った。
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