第1章

10/14
前へ
/16ページ
次へ
――翌日。 早起きをしたマトは一目散にある場所に行く。 そこは、何のへんてつもない坂のカーブだった。 しかし、そこには彼女がいた。 「おはよ!!ヨミ」 そう、昨日、友達となったヨミとここで、 待ち合わせをしていたのだ。 ヨミはマトに気付くと、 顔を上げて、マトに にっこりと優しい笑みを向けた。 「おはよ」 2人はどちらからともなく、歩き出した。 「ちょっと待たせちゃった?」 マトが時間を気にしていたのかヨミに聞く。 「ううん、そんなことないよ 私もさっき、来たばかりだから」 ユミが気をつかってか、本当なのかそう言う。 そんなヨミを見て何故か、自慢気に 「今日は、寄り道せず来たんだけどなぁ~」 と言い出す。 「胸を張って言うことじゃないよ」 ヨミはそんなマトにクスリと笑って言う。 マトは苦笑いしながら、あることを思い出した。 「あ、部活って決めた?」 「んー…、まだ、悩んでる ……マトは?」 「うぇ!?あたし? あたしは、バスケ部」 思わぬ返しにマトはうろたえながら嬉しいそうに答えた。 マトは中学に入ったらバスケをやりたいと思っていたらしい。 「ヨミもバスケにしたら? 背が高いんだしさ」 そう、マトが提案すると 「……それ…コンプレックスなの…」 と少し暗い声になって言った。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加