31人が本棚に入れています
本棚に追加
――翌日。
早起きをしたマトは一目散にある場所に行く。
そこは、何のへんてつもない坂のカーブだった。
しかし、そこには彼女がいた。
「おはよ!!ヨミ」
そう、昨日、友達となったヨミとここで、
待ち合わせをしていたのだ。
ヨミはマトに気付くと、
顔を上げて、マトに
にっこりと優しい笑みを向けた。
「おはよ」
2人はどちらからともなく、歩き出した。
「ちょっと待たせちゃった?」
マトが時間を気にしていたのかヨミに聞く。
「ううん、そんなことないよ
私もさっき、来たばかりだから」
ユミが気をつかってか、本当なのかそう言う。
そんなヨミを見て何故か、自慢気に
「今日は、寄り道せず来たんだけどなぁ~」
と言い出す。
「胸を張って言うことじゃないよ」
ヨミはそんなマトにクスリと笑って言う。
マトは苦笑いしながら、あることを思い出した。
「あ、部活って決めた?」
「んー…、まだ、悩んでる
……マトは?」
「うぇ!?あたし?
あたしは、バスケ部」
思わぬ返しにマトはうろたえながら嬉しいそうに答えた。
マトは中学に入ったらバスケをやりたいと思っていたらしい。
「ヨミもバスケにしたら?
背が高いんだしさ」
そう、マトが提案すると
「……それ…コンプレックスなの…」
と少し暗い声になって言った。
最初のコメントを投稿しよう!