第1章

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「あたしからしたら羨ましいよ~ あたし背がちっさいから、 バスケやったら伸びるかなぁと思ったのが バスケ部に入りたい1つの理由なんだぁ」 「え?じゃあ、まだあるんだ?」 「たいした理由じゃないよ」 「え~、教えなよ~」 2人の明るい声が通りに響く。 授業が終わった後の、短い休み時間。 「ヨミの得意な科目って何? やっぱり英語?」 「そうでもないよ ドイツ語とは全然違うし」 ヨミは授業に使った教科書や、ノートをしまいながら言う。 「ふーん…」 マトはわかっているのかわかっていないのか。 「得意って程じゃないけど、数学が好きかな」 ヨミの言葉に、またもやマトが感嘆の声を漏らす。 「ほぉー、数学が好きな人って本当にいるんだぁ」 どうでもいいとこに反応するマト。 「マトは? どの教科が得意なの?」 「それは――」 マトは溜めてから言う。 「それは、これから見つけるんだぁ 1番の体育以外は全部、横一直線」 ただ、得意なのがないだけじゃ。 「…フフッ」 ヨミはマトらしい答えに笑みをこぼす。 ―――放課後。 マトは体験入部でバスケをやっていた。 ヨミは見学。 マトはコートを走り、先輩からパスを貰うと ドリブルからのシュート。 シュートは上手く決まり、ゴールのネットに絡めとられる。 「「ナイシュー!!」」 周りから声が上がる。 と、部長らしき人が体験入部員を集め、 真っ先にマトに話かける。 「あなた、上手いね~!! どっかでやってた?」 「は、はいっ!! 小学校の時に公園で、男子に混じって」 部長に話かけられたマトは、緊張しながらも着実に答えた。 それを聞いた部長は、 「うん!!十分!!」 と言ってくれた。 ヨミは、マトの練習を見ていたが いつの間にか、その隣の部活に目がいっていた。 その部活とは、 ―――バレー部。
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