第1章

14/14
前へ
/16ページ
次へ
「ヨミ、まだ時間ある?」 いきなりの話にヨミは戸惑ったが、 「ん?まだ時間は大丈夫だけど?」 といった。 ヨミの言葉を聞いた途端、マトは勢い良く言った。 「あのねっ、ヨミに見せたいところがあるの」 と言って、勝手に坂を上がっていく。 「ヨミ、早く早く~」 「ちょ、待ってよマト~」 …… ……… ………… 数分後、2人は坂の上にある公園にいた。 そう、マトが最初に行った、あの町が見渡せる公園だ。 階段を上がった先には、山に沈む夕日。 言葉に出来ないぐらいとても綺麗だった。 ヨミは思わず、「うわぁ…」と感嘆の声を上げてしまった。 「ここね、あたしが一番好きなところなんだぁ」 マトが手すりにもたれながらいう。 「ここに立って町を見てると、 なんだか元気を貰えるような気がするんだよ」 と、マトが輝いた顔をして言うと 「………わかるよ、マトはここが好きなんだね」 マトが横を見ると、ヨミが優しい顔をしていた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加