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「ヨミ、まだ時間ある?」
いきなりの話にヨミは戸惑ったが、
「ん?まだ時間は大丈夫だけど?」
といった。
ヨミの言葉を聞いた途端、マトは勢い良く言った。
「あのねっ、ヨミに見せたいところがあるの」
と言って、勝手に坂を上がっていく。
「ヨミ、早く早く~」
「ちょ、待ってよマト~」
……
………
…………
数分後、2人は坂の上にある公園にいた。
そう、マトが最初に行った、あの町が見渡せる公園だ。
階段を上がった先には、山に沈む夕日。
言葉に出来ないぐらいとても綺麗だった。
ヨミは思わず、「うわぁ…」と感嘆の声を上げてしまった。
「ここね、あたしが一番好きなところなんだぁ」
マトが手すりにもたれながらいう。
「ここに立って町を見てると、
なんだか元気を貰えるような気がするんだよ」
と、マトが輝いた顔をして言うと
「………わかるよ、マトはここが好きなんだね」
マトが横を見ると、ヨミが優しい顔をしていた。
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