序章

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青い空の下に広がる広大な海。 その海にポツンとある、 不思議な形をした塔のような島。 その一角で、彼女達は生死を分けた戦いをしていた。 モノクロ模様の広い部屋。 壁や床、天井が所々崩れている この部屋に何度目かの金属音がする。 ―――ギィンッ その音の元は、二人の少女が持つ剣だった。 一人の少女の髪型はツインテールで 身の丈より遥かに長い黒いコートに中は 黒いビキニのようなものと、 下が黒いショートパンツという 露出の多い格好。 彼女の持つ剣は、太刀の様に細く 鋭い刃を持っている。 一方、もう一人の少女も似たような格好はしているが、 彼女は手に黒いゴツゴツした鎧のようなものをつけ 大剣に相応しい大きさと分厚さを持つ剣を振り回していた。 彼女達は、何度もぶつかり合い 剣を幾重にも交えた。 何度目かのぶつかり合いのあと、 両者とも距離をとり睨み合う。 静寂が訪れてから数秒後、 両者同時に地面を蹴り、 それぞれに刃を向ける。 ―――ギィンッ、ガッ 剣のぶつかり合う音が止めどなく響く。 一回二回と交錯し、四回目の交錯をしようとした瞬間、 大剣を持った少女が、太刀を持った少女を床に叩き落とした。 ―――ドッ 重い音と共に少女は叩きつれられ 崩れだす床と落ちていく。 ―――ドドドッ 崩れた床が土煙をあげながら そこらじゅうに、岩の破片を振り撒く。 叩き落とされた少女は、 上から切りかかってくる少女を避け そばに落ちていた太刀を拾い上げる。 そして、床を蹴り柱の後ろに回りこむが 次の瞬間、柱は崩れ大剣の少女が懐に入っていた。 その手には、大剣の柄。 切っ先は、太刀の少女を貫いていた。
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