第1章

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布団の中で、伸びをして 「だぁーッ」 と勢いよく、起き上がる。 窓を開けて、朝の新鮮な空気を胸いっぱいに吸う。 彼女の名前はマトという。 いつも元気な女の子だ。 マトは部屋を出ると、朝食の用意や歯磨きをしだした。 歯磨きを終えて、リビングに戻ると マトのお母さんが朝食を作っていた。 ちょうど焼けたトーストを持って 「ぅあっ、あぢぃあちっ」 と言いながらマーガリンをトーストに塗っていると お母さんが 「マト。食べたらヒロくん、起こしてきて」 と言ってきた。 その言葉にマトは、 「え~?いやだぁ……起こして起きた試しがないんだもん」 と愚痴を言う。 そんなマトにお母さんは、 「お姉ちゃん」 と言って諭す。 マトは頬を膨らませながらも 手早く食べてヒロを起こしにいく。 ―――ガチャ 「朝だよー、新学期だよー、起きなさーい」 と一気に捲し立てるが 「………………」 ヒロは布団にくるまったまま起きない。 マトは、 「寝過ごしても知らないからねー」 と言って自分の部屋に戻って 学校に行く準備をする。 後ろの髪を短いツインテールに結うと鏡を見て1人うなずく。 「うんっ」 カバンと携帯を持って玄関で靴を履いて 行ってきますの一言、 「では、行ってきます」 そうしてマトの新たな学期が始まった。
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