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カランカラン
喫茶店のドアが開いたのもつかの間
颯爽と入ってきた彼女は
日の光が射る何時もの
テーブル席へ座ると
何時も通りに店員を待ち
ただホットミルクを注文して
辞書並の分厚い本を鞄から取り出した
まるでコンビニの週刊雑誌を
読むかのように、その見るからに
難しそうな本を読み始めた
何時も同じ店員が
彼女の注文を聞きに行くので
店員は彼女の事を既に覚えてしまったようだが
彼女は店員のことは覚えていないであろうと思う
あ…さっき言った
何時も通りの注文と言うのは
少し違った…うん…間違いだ
そういえば一度ブラックコーヒーを注文したにも関わらず
一口飲んだかと思うと
それっきり手を付けず
ほとんど残して帰ったのを
今思い出した…
苦いのは苦手なんだ…
そう考えると案外
可愛い所もあるんだと思った
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