『白』<猿飛 佐助>

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「よいしょっ…と」 結構な高さから飛び降りた筈なのだが、まるで縁側から降りただけのような着地。 ほんのり積もった雪を踏みしめると、すぐに冷たい土が顔を出した。 「…こんな少ない雪で何が出来るんだか。」 近くの低い木の枝に積もった雪を少し掬うと、すぐに溶けて水となり、指の隙間から溢れていった。 「お館様ぁ~っ!」 一瞬、耳鳴りがした。 噂のアノ人、武田信玄が来たらしい。 「幸村ぁっ!」 と、確認したが最後。 立ち呆ける佐助の前では朝っぱらから周りの儚い雪達が溶けてしまうような暑っ苦しさで、クロスパンチを皮切りにラリアットやらジャイアントスイングやらの取っ組み合いを始めた。 このままでは被害が及ぶ。 そう忍の血が騒ぎ、屋敷の中へと逃げ込もうと背を向けたが…
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