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それは爆発。何かを中心として爆ぜた音。常人であればそう感じるであろう爆音を、『声』だと認識するまでには時間がかかる。
「佐助ぇぃっ!」
脳味噌を揺さぶられ、麻痺したかのように、佐助は立ち止まるしか無かった。
「…後で部屋に来い。」
信玄は幸村の髪をぐちゃぐちゃに掻き乱しながらそう言った。
その行動は、まるで旦那に見られないようにしているようで…
直感的に何かを感じた佐助は
「…了解。」
と、返事をした。
直感。もしくは第六感。
そんなものは不確かな物で、決して信用ならない物。
ただ、むやみやたらに感じる物ではなくまた、よく当たる物。
この時、気付き部屋に行かなければ。
こんなことにはならなかったのに。
『風魔小太郎の抹殺』
耳を疑った。何を言っている?
抹殺すべきは雇主の北条の方ではないのか?
それならば喜んで受けよう。過去の償いを…
いや、それは許されない。
一瞬、めらりと燃え上がった炎を自らの意思で鎮火させる。
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