『白』<猿飛 佐助>

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過去とはいえ、少なからず同盟を結んでいた北条。しかし最近の動きは『元同盟』として許される範疇を超えた動きをしていたのは事実。…先の『密偵(スパイ)』もその一つ。 弱体化し、焦る気持ちもわかるが昔の『同盟(とも)』を売るような輩には最早同情の余地は無かった。 しかし何故… 『忍』とは『雇われの傭兵』と似ているものがある。自らの意思はなく、全ては雇主の命令にて任を受ける。 何故元を絶たず、先を切ろうと言うのか。それを切った所で沸いて出るのがオチだろう。 …そんな疑問が頭をよぎる。 意義を申し立てようかと口を開きかけたが… 何も言えない、聞く事は許されない。 それか『忍』の暗黙の掟。 感情を押し殺し、ただただ任務を遂行する人形。 幸村の元へ来てから色々と変わったが、その根底は変わらない。 ただ、喉からは 「この猿飛佐助、喜んでお引き受け致します。」 無感の声しか出なかった。
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