『白』<猿飛 佐助>

11/16
前へ
/50ページ
次へ
お互いに出方を見る為の睨み合いが始まる。 『おっきくなったなぁ~』 命の危機を身体で感じながら、心はそんな不謹慎な思いにとらわれた。 ―あの泣き虫がこんなに強くなっちゃって、つーか久し振りに会ったヤツにいきなり殺気剥き出しで来るかね普通… こんなことを考えている余裕など無いくせに、つい、頭は勝手に思いを巡らせる。 ―俺の事を覚えていないのか、それとも…心から『忍』になっちまったのか… どちらにしても、生きては帰れない。 そう、確信した。 だから、 それならば、伝えておきたいことがある。 佐助が言葉を発しようと口を開きかけたその時、 既に目の前には小太郎の顔があった。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加