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お互いに出方を見る為の睨み合いが始まる。
『おっきくなったなぁ~』
命の危機を身体で感じながら、心はそんな不謹慎な思いにとらわれた。
―あの泣き虫がこんなに強くなっちゃって、つーか久し振りに会ったヤツにいきなり殺気剥き出しで来るかね普通…
こんなことを考えている余裕など無いくせに、つい、頭は勝手に思いを巡らせる。
―俺の事を覚えていないのか、それとも…心から『忍』になっちまったのか…
どちらにしても、生きては帰れない。
そう、確信した。
だから、
それならば、伝えておきたいことがある。
佐助が言葉を発しようと口を開きかけたその時、
既に目の前には小太郎の顔があった。
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