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(数時間後)
『な、何も喋れませんでした…』
トボトボと一人だけで校舎から脱出です…
うぅ…忘れてました…私、初めて会った人と上手くお喋り出来たことなんてなかったのでした…
数時間前までは気合い十分だっただけにショック大です…
『やっぱり私…高校も平凡なまま終わっちゃうのかな…』
今日、何度目になるかは分からない独り言を呟いたその時、私の横をスゴイ美人さんが通りました。
背は160cmくらいかな、ビックリするくらい綺麗なロングヘアに大きな瞳。
大和撫子ってあんな人のことを言うんでしょうね。
そんなことを思った瞬間、私の世界が暗転しました。
『はぅ!』
い…痛い…
どうやら見惚れてしまうがあまり前にある段差に気付かず転んでしまったようです。
『うぅ…痛い』
何も良いところがないうえにドジ。
あまりの不甲斐なさに涙が出そうになったその時でした。
『あなた、大丈夫?かなり派手に転んでいたけど…』
なんと、さっきすれ違った美人さんが慌てて駆け付けてくれました。
『あぅ~…だ、大丈夫です。ご心配をかけてすいませ…痛っ!』
どうやら転んだ時に膝を擦りむいてしまったようです。
『大変。直ぐに消毒しなきゃ』
『だ、大丈夫ですよこれくらい』
『ダメよ!化膿したらどうするの』
うぅ…美人さん…少し怖いです…
『でも困ったわ、保健室はもう閉まってるだろうし…そうだ、うちの部室に来なさい。部室に確か救急箱があったはずだから…ね』
そう言うと美人さんは私に肩を貸し、そのまま部室まで連れていってくれました。
やはり美人な人は心まで美人なんでしょうか?
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