銀貨レコードとZizの実験音楽室

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   ――銀貨レコード!    業界最大手の銀月社が持つ、新人発掘と中堅育成のための、実験性の高いレーベル。Zizはここを根城にして、これまで4枚のAlbumと7枚のSingleを作製した。 ♪………  Performance重視、大作指向、Concept優先の制作姿勢を貫くZizは、Memberと共に睡眠時間を削ってまでレコーディングを繰り返した結果、若く無名のためにろくな制作環境を与えられなかったにも関わらず新人としては驚異的な完成度の1st Albumを作り上げたわけね。  その後、そうした制作姿勢に対する強迫観念はさらに悪化し、不協和音と変拍子の暴れ回る中に突然飛び出すPopなMelodyと断続的な曲展開はますます冴えを見せてゆく。  揚句の果てが、ついに自作のRhythm-Machineまで発明しちゃったわけ。だけど、それが異端音楽と呼ばれる一方で、Popsと同等にヒットチャートを賑わしていることは特筆すべきことだと思うよ。  歪んだ美学に徹底した独自のMelody-Senseは、これからもさらに高く評価されるだろうし、彼らが正統の異端派と呼ばれる理由はやはり、実験性を強めつつ病的なほどに大衆性をも睨み続ける、その制作姿勢にあるわけなんだよねー。        ………♪ Muzik.10月号     (文:DJ.Ruby-xxx 
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