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有依はよく眠ってる。その姿を眺めながら、Zizは舌打ちした。
Zizは市街芸術をひどく嫌っている。――たしかに当初は、市街芸術が掲げる『Dramaの解放』などのPerformance性にはいくらか共感しないところもなかったが、市街芸術家たちの、杜撰で独りよがりな制作姿勢には、とにかく我慢できない。
ましてや、市街芸術の勃興のために銀月社が経営不振に陥り、そのせいで『銀貨レコード』の存続が危ういともなれば、尚更だった。
「あんな似非芸術は即刻叩き潰すべきだ」
Zizはそう考える。
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