幼少期

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そして家に帰ると待っているのが『店番』である。 私の住んでいた山は大きな滝がある。 これが日本の滝100選にも選ばれた立派な滝なのだ。 そんな滝のある山で私の家はお土産屋をしていた。 しかし『店番』と言ってもまだ小学生、お金の勘定も計算しきれない。 そんな私におじいちゃんが与えた仕事は『猿の見張り』だった。 読者の人は野生の猿とあまり触れ合う機会もないと思うが、私の住んでいた山にはとにかく沢山の猿がいた。 1000匹はゆうに超えていたと思う。 そして彼等はとても頭が良く、常に店の商品を狙って店の付近でこちらを見ていた。 そこで私の出番である。 初めてこの仕事をおじいちゃんが受け継いだ時に授かった愛刀(お土産用の木刀)をしっかりと握りしめ、毎日猿とにらみ合い、威嚇しあった。
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