乗り遅れた男

幼少期

なぜ私があんなに忠実に毎日店番をこなせたか。

その理由は私に勇者の剣（木刀）を授けてくれたおじいちゃんの存在が大きかった。

その頃の私はおじいちゃんを本気で勇者だと思いこんでいたのだ。

おじいちゃんはパチンコとロケット花火の名手だった。

どんなに離れた猿にも自慢のパチンコで鉛玉をお見舞いする『技術』、そしてロケット花火を手に直接持ったまま引火させぶっ放す『勇気』を持っていた。

今で言うならワ○ピースの『ウソ○プ』である。
そんなおじいちゃんに私は心底憧れ、いつかはこうなりたいと思っていた。