小柴垣のむこう

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ある所に、面構え いと見苦しき者ありけり。 名を 光ゲンノと言いける。 その見苦しきさま見奉れば、齢縮み、目腐りけるなり。 日頃、ゲンノは幼女を襲いける。 ゲンノ 曰く 「我、幼女を溺愛する者なり。故に我、幼女を襲う事を許される。」 日もいとつれづれなれば、夕暮れのいたうかすみたるに紛れて、ゲンノ 幼女を探したり。 ゲンノ 幼女を見つけて 「いとらうたげなる幼女を見つけたり。我、彼女を欲する。」と呟きて、幼女に近づく。 幼女、ゲンノに気づきて曰く 「いと見苦しき者、近づきにける。見苦し過ぎて目が腐り始めたゆえ、誰か助けたもう。」 ゲンノ その声を聞きたりて、より一層興奮したるなり。
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