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「さ―て、どこに隠れましょう……」
私は、首をひねりながら学校の廊下を歩いていた。
今日の部活は、「かくれんぼ無制限一本勝負」。隠れられるのは校舎内全体。もちろん外に出るのは失格。見つかったらその時点で鬼は交代。新しい鬼はその場で百数えてから行動を開始する。制限時間はないけど、ずっと学校に残っていれば遅かれ早かれ知恵先生に追い出されてしまうので、そうなったらゲーム終了。
最後に鬼だった人が罰ゲーム。
言うまでもなく、この手のゲームは私や梨花が有利だ。体の小ささは、隠れ場所の選択肢を増やす事ができるのだから。特に梨花は強い。前回このゲームをやった時など、ずっと校長室で校長先生とお茶を飲んでいたらしい。見つかりっこない。
とはいえ、我が部のメンバーは精鋭ぞろいだ。もちろん油断は禁物。かつて魅音さんは、私を隠れ場所からいぶり出すために火災報知器のベルを鳴らしたことがある。後で知恵先生にこっぴどく怒られてたけど。
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