第1話

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地方都市じゃ、朝の通勤ラッシュだのなんだので都心ほどじゃないが結構、人で通路が埋めつくされる。 俺は通勤ラッシュにもまれたくないんで、少し早めに出ている。 朝から体力を使うなんて、マッピラゴメンだ。 定期券を片手に、だるそうに歩く。 誰もが、他人を気にせずに歩いて去っていく。 眠そうに、欠伸を一つするとエスカレータに乗って1番線へと降りる。 昨日は数学のプリントのお陰で随分遅くまで起きていたためか、今日はやけに疲れと眠気が酷い……気がする。 コーラでも買ってくか? そんなことを頭の中で思いながら自販機の横を素通りし、汚れの少ないベンチへと腰かけた。 「……………………んぁ」 眠気のせいで無意識に目を瞑ってしまったようだ。 まったく、寝顔は人に見せない主義だってのに。
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