第一章

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ポカンと口を開けて間抜けな顔をしていた馬鹿だったが、数秒経つと花が咲いたように笑顔になり異常なまでのスピードで俺の腰に抱きついてきた。 「綾斗ぉぉおおおお!!!」 「やめろ汚い触るな」 馬鹿は俺の首にぐりぐりと頭を擦り付けてくる。何だか首元が冷たくてぬるぬるしてるのは気のせいだと思いたい。いや、気のせいだ。 「お、俺ぇっ!みす、見捨てっ、見捨てられるかと、っ思ってぇぇええっ」 ぐずぐずと鼻を鳴らしながら喋る馬鹿に萌えてしまった俺は死んだほうがいいですかね。 ていうか死にたい。 .
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