第一章

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「何か大地、犬みたいだね」 今だに俺の首元に顔を埋めて泣きじゃくる馬鹿を見て悠司は言った。 うわ、顔が凄い引いてる。 でも確かに悠司の言うとおり、この馬鹿犬っぽいな。 いや、あの本物の可愛らしい犬に比べたらこいつなんて糞みたいなもんだがな。 うーん。 一度犬みたいだと思うとこの馬鹿の頭に耳が、尻にしっぽが見えてきてしまったな。 恐ろしい妄想力だぜ・・・! 何だかそう考えると可愛く思えてきてしまった。ためしに馬鹿の頭をわしわしと撫でてみることにする。 「っ!!!綾斗ぉ~!」 頭を撫でてやると首に擦り付けていた頭を一旦止めると、さらに強く頭を擦り付けてきた。 尻尾は千切れんばかりにブンブンと振っている・・・ 気がする。 .
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