第一章

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ほら、馬鹿犬行くよ、と大地に声をかけると渋りながらも体を離してくれた。 それを確認した悠司はすたすたと寮の中に入って行ってしまった。 絶対怒ってる、よね? どうしよう俺全く身に覚えがない・・・。平凡君にだけは嫌われたくない! 俺は必死になって悠司の機嫌を損ねてしまった原因を思い返してみた。 ・・・あ! もしかしたら悠司は大地のことが気になってるのかもしれない。だってちょっと前に大地が悠司に話し掛けたとき顔が赤かったし。 もしそうなら悠司は大地に抱き締められていた俺に嫉妬してたのかも。 っていうかそれしか考えられない。 俺はすでに寮の中に入ってしまった悠司の所に小走りで向かい、悠司の顔を覗きこんだ。 あ、まだ怒ってる。 .
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