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「どうだい?思い出したかい?」
ボボタンが聞く。
「正直きついデース…思い出さなくても良かったデース…」
ピン、とボボタンは人差し指を立てた。
「よく聞きな、あんたの死は霊界では予定外なんだ。イジメられなれてるあんたがあんなことでショックを受けるなんて、閻魔様でも予想できなかったんだねえ。あんたには生き返る試練が…」
「いいっす、自分はマジでそういうのいいっすわ。」
中田は妙に悟ったような笑顔で断った。
「自分の通夜だけでも見てから決めても遅くないよ。」
ボボタンは食い下がったが、悟りを開いた中田には通用しない。
「ああ、いいっす。自分、大丈夫っす。この先、生きてたってイイ事無いなんて言うつもりはないんす。頑張って生きてたら、きっとイイ事は沢山あるっす。でも、自分はもういいっす。マジで大丈夫っす。このまま逝っちゃっても全然気にしないっす。」
「そっ、そうかい?じゃあ、逝って成仏しようか。」
中田は成仏した。しかし、魂は失われることは無い。いつか中田も生まれ変わるのだ。
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