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あぁ、
地面が焼けるように熱い。
そうか、
僕は──炎で焼かれ、もがき、
消滅するのか───…。
あの消滅の炎に続く扉を完全にくぐれば……
もしかしたら彼女への想いからも
解放されるのかもしれない──。
地面がヒリヒリとする。
あたりの熱気が皮膚をジリジリと
焼き殺していくようだ。
吸う息も吐く息も
まるで熱風のように熱い。
消滅の炎までもう少し───…
僕は確実に一歩ずつ
歩みを進めていた。
天井から響く
執行員の声………。
『天使ルシファー、
そのまま、歩みを止めずに進みなさい』
あぁ、この世に生を受けたとき
僕は一人だった。
そして消えるときも……
一人なのか───。
絶望感に浸る
そのときだった。
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