LUCIFER

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僕は、一瞬とめた足を 再び歩ませる。 徐々に近づいてくる消滅の炎の扉…… そして明らかになる黒い物体───。 それは間違いなく、悪魔だった。 悪魔はこうして──ことごとく人間のみならず 天使までをもたぶらかす………。 熱気で揺れる視界。 収まらない恐怖。 あぁ、すべてから…解放されたい……。 ついに扉の前に立つ。 あとは、この扉の取っ手を引くだけだ。 扉の側には…相変わらず、サタンが居る。 黒装束でフードをかぶり 唯一見える口元は 薄ら笑いを浮かべている。 "あとは、あなた次第です………" 僕は扉の取っ手に手をかけた。 横に差し出されている白い悪魔の手。 僕はそれを見ないように、扉を引こうとした そのとき────。
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