212人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく談話をし、会話が途切れた時だった。
西「ねぇ先輩?」
西内さんが改めて俺を呼んだ。
西「あのね。.....手が...繋ぎたいなって。」
それは小さな声で。ほんとに小さな声で囁いた。
俺はその声をしっかり聞き取り、隣で壁にもたれている西内さんの左手をそっと握った。
俺「.....。」
西「.....。」
手を握ると、西内さんの手の温度が感じられる。
初めて握る西内さんの左手は俺の右手よりも震えていた。
恥ずかしさからか、西内さんの方へ顔を向けられない。
俺「...なんか...はずかしい...」
西「私も恥ずかしいです...」
恥ずかしいんだけど手は離せない。
ぎゅっとぎゅっと。
繋いだ手は解けることはなく、無言のまま、ゆっくりと時間を重ねていった。
最初のコメントを投稿しよう!