別れ

7/9

212人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
  朝練が終わり、教室に向かう。 その途中、廊下で愛とすれ違った。 が、挨拶しない。 ただ俺の右を目を反らして通り過ぎていく。 いつもなら挨拶をし、笑いかけてくれるのだが、 俺らはそんな状態じゃない。 本当に別れたんだな。 そう思うと、胸が締め付けられた。 やばい。泣きそう。 目から鼻水が出そう。 鼻水を堪え、教室に入り、自分の席に荷物を下ろす。 そこへやってきたのはクラスでNo.1のお調子者。 名前は....... 『パッション』 パ「よう!!陽介!!元気そうで何よりだ!!」 あぁ?元気そうだ? 俺は今泣きそうなんだよ。 鎖骨の辺りをグーで殴ってやろうか? パッションは昭和のヤンキーみたいな奴。 髪型はリーゼント。 お調子者だが、実はいい奴。 名前の由来は、芸能人の『パッション屋良』に顔が似ているから。 ちなみに彼から情熱は微塵も感じられない。  
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

212人が本棚に入れています
本棚に追加