171人が本棚に入れています
本棚に追加
｢…それで、旦那様。お話と言うのは…｣
｢おお！そうだったそうだった！！｣
ひしと抱きしめていたお嬢様を離し、
俺と向き合う様に移動した旦那様は
わしわしと俺の頭を撫で回す。…なんで？
｢ありがとう、
君のお陰で裕子は無事でいられた
…それに、アレのデータも無事採れた
本当に感謝しているよ？｣
…お嬢様の事に関しては、俺にしてみれば
当然の事だから、お礼を言われる筋合いは
ないですと言いたかったけど、それよりも
気になったのが…
｢アレって…何の事ですか？｣
思い当たるのは一つしかないけど…一応
大事な事だと思うから、聞いてみた
｢…そうだったな？
君には、…キチンと説明しておこう｣
…なんだ？さっきまでの
朗らか和やか旦那様とは打って変わって
表情が険しくなった気がする…
｢康太くん、君は最近頻発している、名家の
お嬢様誘拐事件を知っているかな？｣
｢…知ってます。調度今朝も、その事で
クラスメートと話題になりました｣
険しくなった理由はこれか…と俺は一人
納得しながら、旦那様の言葉を待った
｢実は…それについてタレコミがあってね？
…それによると、
どうやら何らかの組織によるものらしい｣
…若干アバウトですね？そのタレコミ…
．
最初のコメントを投稿しよう！