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…あらら、行っちゃったよ…
「…しゃ~ない!!!」
西崎さんの姿が見えなくなって、一人
廊下に残された俺は、ポリポリと、頭を
掻いていた手を止め、教室に戻る事にした
「…康太さん?」
戻ってすぐに、お昼ご飯を食べ終わり
お友達と談笑していたお嬢様が、トトトと
駆け寄って来た
「お嬢様、どうかしましたか?」
「いえ、その、…りょうちゃんは…?」
なんだか不安げな様子のお嬢様が、少し
身長の高い俺を見上げてくる
…どうしたんだろ?
「…西崎さんなら、一人でお昼食べる言って
スタスタと屋上に行っちゃいましたけど…」
「…やっぱりですか…」
俺の言葉を聞いて下を向いてしまった
お嬢様…あれ?俺、何か変な事言った!?
「ぉ、お嬢様?なにか…??」
「いえ!…ただ…」
「??」
「…友達と一緒にいる所を見た事が無いので
一人になっていないか心配で…」
…そういやぁ、
西崎さんが誰かと遊びに行く所とか、
誰かと電話してる所とか見たことないなぁ
…あの人の事だから、きっと、友達とか
作らなかったんだろうなぁ
「…大丈夫ですよ!西崎さんなら!!」
「…そう、ですよね?」
少しだけ笑うお嬢様…ちょっと無責任な事
言ったかな…反省
.
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