一章 夢から覚めて

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「あったり前だろ?俺はそう簡単にくたばったりしないんだよ」 そう言ってみて思い出してしまうのは、亡くなっていったヒト達の事だ。 「セシリアは…もういないんだよな…。なんだかずっと前の事みたいに思えるよ…」 「あれからまだ三日しか経ってないのに、私もそんな風に感じてしまいます」 「え?何だって?」 「私もルイと同じように…」 「その前!」 「えっと…まだ三日しか経っていないのに…」 「三日!?」 そして俺は再び立ち上がる。 「あれから三日も寝てたのか俺は!」 「えぇそうですよ。その間は一度も起きませんでした」 本当に予想外だ。 随分長い夢を見ていたような、短かったような、そんな妙な感覚を感じてはいたが、現実では三日も過ぎてるとは。 「さぁルイ、行きましょう。みんなあなたを心配していたんですよ。是非元気な顔を見せてあげてください」
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