一章 夢から覚めて

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「誰も…いないのかよ…」 まどろみにたゆたう俺の体。無の世界に朽ち果て消えそうな脆弱な存在。 何もない。 「……けて……助けて……」 そんな0の世界に響いた声に、虚ろな俺は顔を上げた。 「誰だ!誰かいるのか!?」 「痛い……苦しい……」 「な、何だ…?」 聞こえてきた声は、助けを呼ぶ切れ切れな声だ。 遙か遠くに人影が見えた。その人影はゆらゆらと揺れながら、俺の方へと近付いてくる。 「おい!誰なんだ!」 人影が増えた。 一人、二人、三人と次々に増え、やがて人影は数十人にまで膨れ上がる。 「見つけたぞ……ドラゴンブラッド……」 「な…」 その人影が近付いてくると、俺は腰を抜かしてしまった。 「俺の腕が……ドラゴンブラッド……許さない……」 「体が…体が燃える……。熱い…熱い…」 「私の家族を返して。私の夫を返しなさい!」
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