一章 夢から覚めて

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「ここは…シェリル村…」 俺が育った孤児院の庭を子供達が楽しそうに駆け回る。 明るい日差しの下、懐かしい景色が俺を迎えてくれた。 「ルイ」 「え、まさか…シバ先生…」 子供達の向こう側に俺を見る、丸眼鏡に白髪、白髭の男がいた。 彼は優しい笑顔を見せる。どこか懐かしいものを見るようなその目。 時に厳しく、時に優しく、俺を導いてくれた父親のようなヒト。 シバ先生がそこにいた。 「ルイ、どんな時にも自分を見失うんじゃない。たとえ誰かを失い、誰かを傷付けたとしても」 「ど、どういう事?」 シバ先生は再び笑顔を見せると俺に背を向けた。 「ま、待ってシバ先生!」 シバ先生の背中を追って手を伸ばす。 だがその手はシバ先生の体を通り抜ける。 その瞬間彼の姿は消えて無くなった。 同時に庭で遊んでいた子供達の姿も消えて無くなる。
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