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大きな大剣を背中に携え、茶色のマントを靡かせる彼。
「おっさん!」
「罪に押し潰されて立ち止まって動けなくなる。お前にはそれすらも許されない」
うずくまっていた俺の胸ぐらを掴み、そして無理矢理立ち上がらせる。
「立て。死ぬまで生きてみろ」
俺はカイトの手を振り払った。
俺の手は血に染まっていた。
この手でたくさんのヒトを殺した。
ヒトだけじゃない、これまでにだってたくさんの命を奪ってきた。
生きる為に奪った命もあれば、ただ狩りを楽しむだけに奪った命もある。
一度血塗られてしまったこの手からは、もうその血が消える事はない。
その手を握り込む。
「俺は…俺の信じた道を行く。その先にきっと光があると信じて」
「そうだよルイ。僕もルイを信じてる」
側を背の小さい親友が歩く。
「田舎のイモが、ようやくそんな事に気付くなんて。やっぱりイモって事ね」
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