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口が達者な王女様が後ろにいた。
「お前ならきっと背負えるって。なんたってこの俺だって背負ってるんだからな」
横からお兄さんのような彼が話しかけてきた。
「わたくし達は仲間なのですよ。あなたの歩く道をそっと支えるのもわたくし達の務め」
誰にでも優しい彼女が俺の側で囁く。
そして…
「怖くはないですよ。ただちょっと不安なだけ。次のページにはまだ何も描かれていないんですから」
「セラ…」
「光だけのページも闇だけのページもありはしないんです。あなたがこれから描く未来、私も側で描かせてください。まだ知らない1ページを」
―――眩しい。開いたばかりの目に入り込んできたのは、酷く眩しい光。
目の奥がキリキリと痛む。
薄目を少しずつ開けていくと、ようやく白い天井が見えた。
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