第1章:幻想郷の魔法使い

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「あれアリスじゃないか!隣にいるのは……誰だ?」 縁側の方に回ると、白黒の配色のまさに魔女といった感じの服装で金髪の女が座ってお茶を飲んでいる。隣には魔女特有の黒いトンガリ帽子が置いてある。 「見ての通り外来人よ、魔理沙」 「また紫か……災難だったな。私は魔法使いの霧雨 魔理沙だ、よろしくたのむぜ」 悠吾はアリスから魔理沙の話を聞いていたのでなんとなく彼女の事は知っていた。悠吾と同じ人間の魔法使いだと。 「谷田川 悠吾です……まあ、よろしくと言ってもこれから帰るんですけどね」 苦笑して答えると、魔理沙は細かいことは気にするなと言った。 「悠吾、昨日も言ったけど幻想郷の住人に敬語はいらないわ。特にこの手癖の悪い白黒にはね」 「酷いぜアリス。 でも確かに敬語はいらないな。その癖は治した方がいいぜ。幻想郷には敬語を使うような相手は少ないからな」 アリスの注意に魔理沙も賛同する。 「そっかぁ……じゃあどんな人に使えばいいの?」 「そうね……貴方が使うとしたら紅魔館の吸血鬼に白玉楼のお嬢様の亡霊、永遠停のお姫様に薬師あたりかしらね」 「あとは守矢神社の二柱と閻魔とスキマババアにでも使っておけばいいんじゃないか……帰るまでの短時間に会わないとおもうけどな」 「「確かに」」 悠吾とアリスの声がハモる。 「ハハハッ、お前ら仲良いな。息ピッタリじゃないか!」 魔理沙は大笑いして、反面アリスは顔を真っ赤にさせて体が震えていた。 「まっ……魔理沙ーっ!!」 するとアリスは上海に槍を持たせて魔理沙に突撃させる。 「ちょっ!?アリスなにしてんの!!」 魔理沙はそれを軽々と避ける。アリスは追撃しようとするが悠吾は流石にまずいと思って身体強化をかけてアリスを止める。 「ははっ動きが遅いぜアリス!この私には止まって見えるぜ」 しかし、魔理沙は火に油を注ぐようにはやし立てるのでこのようなやりとりが十分程続いてしまった。
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