第3章:神社で宴会、多くの出会い

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「……うえぅっ!!」 目を覚ました悠吾を待っていたのは痛烈な頭痛と吐き気だった。無様にそれを吐き出すわけにもいかないので無理やり胃に戻し込む。 「……遅いお目覚めだな」 「あっソイルさん。いま何時ですか?」 「……9時だ……もう残ってるのはお前達くらいだ……」 ソイルが指を差した先で魔理沙とアリスが仲良く体を寄せ合って寝ている。悠吾は起こそうか迷ったが、昨日のが軽くトラウマになりかけているのでやめる。 「そうですか……うっ!!」 「……ここで吐くな……霊夢に殺されるぞ」 そう言うとソイルは八意製薬と書かれた小さい紙袋を悠吾に投げ渡した。中には錠剤とメモが入っている。 『昨日は姫様とてゐが迷惑をかけました。師匠の二日酔いを治す薬を同封したので二錠飲んでください』 とメモには書かれていた。鈴仙と永琳に深く感謝して悠吾はありがたく薬をいただく。 「迷惑って……何があったのか全く覚えてないのに」 悠吾はポツリと呟き、薬を飲んで腕輪から水の入ったペットボトルを取り出して水を口に含む。 「ああ……お前はアリスとずっといちゃついてたぞ」 「ブーッ!?……ゲホゲホ!!」 思いもよらないソイルの発言で悠吾は水を盛大に吹き出して噎せる。 「ククク、冗談だ……お前は萃香に頼まれてシャンパンタワーを作ってずっと笑ってたよ……アリスとパチュリーが魔理沙に説教してる時やてゐが輝夜に悪戯した時、霊夢が賽銭が少ないと嘆いてる時もな。笑い上戸ってやつなんだろ」 ソイルは笑って言ったが僕は本気で焦る。 (酔った勢いでもそんな事したら嫌われるよ……) 「キツい冗談です……」 「ククク……悪いな。俺は何でも屋をやってるから困った時は来るといい……じゃあな」 ソイルは紅い大剣を背負うと右手を挙げて去って行った。その後ろ姿から歴戦の将のような力強さを感じる。 「僕も……ソイルさんみたいに強くなれたらな……いや、強くなるんだ、まずはアリスに心配をかけないくらいに!」 悠吾はアリスを見て誰にも聞こえないように決意を固めた。
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