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これは私の友達Dさんが体験した話です。
Dさんはその日残業で夜遅くまで会社にいました。
デスクで一人残りの仕事を片付けている中、ふと携帯電話が鳴りました。
Dさんはさっさと仕事を済ませてしまいたかったのですが、鳴り続ける電話。
しかたなく携帯電話を開くと、知らない番号からの着信でした。
こんな時間に、誰が?
少し気味が悪く、その時は電話にでませんでした。
コール音が鳴り止むと、Dさんはまた仕事に取り掛かりました。
ですが、すぐにまた電話が鳴り、確認するとまたあの番号でした。
疑問に思い、誰か知り合いの番号なのかもしれないと思い、Dさんは意を決して電話に出ました。
「……もしもし」
「あ、○○さんですか?」
○○はDさんの名前とはかけ離れたそれであり、Dさんは違うと告げました。
すると電話の相手(声が低く、男のようである)がこう言ってきました。
「○○○○さんじゃあないの? この番号で間違いないと思うんだけど」
今度はフルネームで名前を言ってきました。
Dさんはしつこい相手に苛苛しつつ、応えました。
「違いますって。俺は●●●●ですって。これでいいですか?」
「あ、はい。わかりました。●●●●さんですね。すみません、間違い電話でした」
Dさんの名前を聞くと、電話はすぐ切れました。
Dさんは意味がわからず困惑していましたが、その後電話は鳴ることなく仕事を終え家に帰りました。
次の日、Dさんはテレビを見て凍りつきました。
テレビでは間違い電話で聞いた○○○○さんが惨殺死体で見つかったと報道されていたのです。
しかも、殺害現場は仕事場の近く。
今だ犯人は逃走中とのこと。
Dさんは今でもあの間違い電話の相手に怯えて生活しているそうです。
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