上直空也 享年17

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……点滅 消失 明滅 闇 ゴボリ… 口から血が湧き出るそれは、塊のような血だった 今、自分が立っているかどうか…分からない かろうじて移る視界には街灯がうつる、 ああ、仰向けに倒れているんだ… 手を動かす、力が入らない 足を動かす、感覚がない なんでこうなったか思い出す…、 腹部に鈍痛が走る。 ああ、そうだ腹を刺されたんだ 俺の財布をとった奴を追いかけて裏通りに入った瞬間、腹が熱くなって、 それで…、 次第に体が寒くなる しかしせなかはほのかに暖かい 自分の血だった
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