上直空也 享年17

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俺を刺した奴はどこだ? 眼球を必死で動かす 見えない だが気配で分かる 奴は近くにまだいる その事実が彼を熱くする 殺す、絶対殺す 手を動かす、震えながらも動く 足を動かす、感覚がもどる 寝返りをうつ、痛みで死にそうだ ゲボ、口から血が流れ出る 関係ない、殺す 俺は辛うじて立ち上がり、そいつがいるであろう方を向く そいつは異質だった 黒いジーンズに黒いシャツ、チリチリの髪に、二重瞼が特徴的な目 そいつは立ち上がった俺を見ると口角を吊り上げた それはまるで、三日月のような… ドン!! ゲボ、ゴボ 蹴られた そいつは、一瞬で俺に肉迫し、俺の腹を蹴る 俺はひとたまりもなく仰向けに倒れる ドカ ゲヴ そいつは俺のはらにまたがる そしてその右手に持っている包丁を逆手の両手持ちに俺の首に振り下ろす 待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て 待っ… ザグ…… 声も出せないまま俺は 殺された 痛みを感じる寸前で俺は死んだ
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