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夢……そんなものは現実にはない、
今俺の現実にあるものといえば、汚い部屋と、空っぽの財布……そんな現実味のある独り暮らしにも少しずつ慣れてきた、でも、ある意味独りではない。
……チリン
キッチンと冷蔵庫の間の人一人入れそうなくらいの隙間、そこにオレのもう一人の(?)家族がいつものように昼寝していた。
「ニーニー……」
まだ寝ぼけてるみたいだな「スマンな、どうやら、明日からお前の大好物の猫かんは買ってやれそうにない」
「ニ~~~」
切なそうだな、どうやらこいつは人の言葉が多少分かるようだ(多分)。
さすがに喋ったりはしないがこれはこれで人間のような賢い猫である……多分俺なんかより数倍…暇なときは話し相手に(まぁ、うなずいたり鳴いたりするぐらいだか)なってくれるし
雨の日だって、俺が居ないときに洗濯物を運んでくれたこともあった(まぁ、びしょ濡れの泥まみれだったが…)
まぁ、こいつ本当は人間なんじゃないかってくらい賢いってことだ。
……ぴんぽーん♪
玄関のベルが鳴ると猫は真っ先に玄関に向かってドアを爪でガリガリと削り始めたあぁ、またドアに傷が…………。
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